快の法則
私が操体法を好きな理由の一つとして、「快方向へ動く」というものがあります。
中学時代から首の左側に痛みがあり、当時整体やカイロプラクティック、針灸などに通いましたが、一向に良くならずそれどころかある整体の治療法は今思えばひどいもので、とにかく痛む部位をすごい力でギュウギュウと押したり、頭を持ってゆらゆらしたと思ったらいきなりグイっと引っ張ったり、ボキボキと首を捻ったりで、かえってひどくなりそういった治療に対するイメージは「怖いもの」でした。
20代半ばにメキシコなどを旅しましたが、その途中病気に罹り入院しました。
幸い数日で退院できましたが体力が極端に落ち、重いバックパックを背負っていたのもあって首が痛みました。
そんな時に操体法を紹介している健康法の本に出会い、すがるような気持ちで読みました。
その本には、
痛い方とは反対方向に体を動かす、
むしろ気持ちのいい方向へ動かす、
吐く息とともに脱力する。
などと書いてあり、その通りやってみると簡単で気持ちは良いけれど刺激が少なく、通常こういった療法には痛みや我慢や努力がともなうと思い込んでいたので、物足りない印象でした。
しかし次の日の朝起きると長年苦しんできた痛みは消えていました。
こんな簡単な事でしかも気持ちの良い方法で痛みが消える、ということにショックを受けました。
頑張る、努力する、無理をして競争する事を当たり前と思うように刷り込まれてきた自分の常識が壊れ、気持ちの良い方を選ぶ、という新しい考えを受け入れました。
悪い方ではなく良い方に意識を向け、気持ちよさ、心地よさを感じ味わう事で悪かった方も自然に良くなる。
命は快の方向を求めている。
この操体法の考え方をとても気に入っています。