気持ちの良い方へ

いつくしみや 屋久島 みちのブログ 操体法とドラムと旅

封印

過去の未消化の感情やトラウマが体の奥深いところに残っていることがある。

私の例だと、若いころ、歩いていたら突然10メートル先ぐらいの目の前に飛び降り自殺の人が落ちてくる、という事件があった。

あまりにびっくりし過ぎてすぎてその場で身動きがとれず、立ちすくんでいた。

その日は食事も出来ないくらい落ち込んだが、自分がどんな気持ちなのかよく分からなかった。

その後はなるべくそんなことはなかったかのように過ごしていて、そのことは忘れたつもりでいた。


10年ほどたって操体法の修行時代。

家で一人で体の動きをしていて、背中の右上奥あたりになかなか取れない痛みがあり、どうにかそれが取れるように体を動かして、やっとその部分が解放された瞬間、その事件の記憶が突然鮮明に蘇ってきた。

その時の、自分が何も出来ないでいる不甲斐なさや、恐ろしさや、いろいろ入り混じった感情が流れ出していった。


当時恐ろしくて、
ショック過ぎて向き合えず、感じ切ることができなかった感情を、体の奥深くに封印してあった。

封印が解けてその時のことを再体験したが、そのあととても軽くなった。



ニュージーランドのorganic river fesで出会った若いドイツ人のデイヴィッドは、操体法に興味があり、腰が痛いというので、横になって腰周辺の動きを誘導していくつか行ったら、突然泣き出した。

「う〜〜っ」とか言って涙をボロボロ流し出したので、どうしたのか聞くと、「ただの古い記憶が〜〜っ」と言葉にならず。

こっちも一瞬動揺したが、中心に戻って見守ることにした。


感情解放が起きてることが分かり、しばらく見守った後一人にしても大丈夫とわかりその場を去った。


1時間くらい泣いていたらしい。


何の記憶が思い出されたのか細かいことは聞かなかったが、大解放だったようで、その後私のことを「father」呼ぶようになった。